“コンクール“
それは今までの練習や頑張りの全てが評価される真剣な場です。子供たちも、さらにそれを支える
ご父兄、指導する講師にとっても大きなストレスがかかり、一丸となって入賞を目指して行き
目標を達成する。その成功で成長しさらに進化できる!
今回のコンクールまではその面を強く感じていました。
ですが今回を通して『それだけではないな、、、』という発見があったのです。
コンクールに挑んだ小3のSちゃんは普段からコンスタントに練習もし、とても音楽性豊かな
女の子、今回はコンクール初挑戦でした。
自ら出たい!ということでとても期待していましたが、練習にエンジンがかかるのが遅く
1週間前に間に合うかどうか、、、の危ない感じに。
補講レッスンや、動画レッスンを入れこちらもできるだけのサポートをしましたが
本番前日のレッスンでは、直前にママと喧嘩したらしく・・・不貞腐れて来る始末。
この時ばかりは『もう帰り』と言ってしまいました。
滅多に怒ることの無い私に言われ、ハッとしたのかやっと真剣モードになって
レッスン。時間ギリギリまで必死にやりました。
そして当日。
審査員の先生が3人も目の前にいる緊張の中で、これまでで一番いい演奏が出来ました。
ただ結果は落選。合格点数を取れていたものの、同点争いで落とされ、予選を通過
できませんでした。
残念でしたが、ここで残念だったねだけで済ませてはダメだと思い
『落選の理由は、必死さが足りなかったと思うよ。直前のレッスンで不機嫌になってる場合じゃなかったよね。もしまた挑戦するならそれを忘れないで。先生も次挑戦できるようにがんばって
レッスンするから!後いつもレッスンで新曲に進んだ時に、むずかしそう〜出来ない〜って言うけどあれも言わないって約束して』と話しました。
その後のレッスン、やはり結果が出なかった事でやる気が失せてないかな、、、と
心配していましたが、以前より集中して、一言も不平不満を漏らさず、家での練習も
いつも以上に出来ていてあっという間にレッスン時間終了。
むずかしそう〜出来ない〜の言葉も封印されていて、今までで最高のレッスンをする事が
出来たのです。
そんなSちゃんの姿を見て気づきました。
大人が思っている以上に、子供はもっと敏感に結果を真摯に受け止められるのだな、と。
結果が出ずとも、自分がやれたことには誇りを持ち、ダメだったことを反省する姿勢が取れた時には
こんなに大きく成長できるのだな、と。
もちろん良い結果が出て成長できるのも素晴らしいことです。
でも失敗があった時にも成長の種はたくさん眠っています。
短い時間で物事を判断するのではなく、将来全体を見据えて子供自身が自分で自ら成長できるよう
サポートしてあげることが、私たち大人の役目であるのかもしれません。